相殺
攻撃には地上攻撃や飛び道具といったいくつかの種類があるが、その中の特定の組み合わせの攻撃が接触したとき、お互いの攻撃に#相殺判定と呼ばれるものが設定されていた場合、両者、または一方に相殺が発生し、攻撃が打ち消される。
相殺の条件
自分と相手の攻撃判定が接触した時に以下の条件をすべて満たしていれば、自分の攻撃に相殺が発生する。
- 「自分:地上攻撃、相手:地上攻撃」または「自分:飛び道具、相手:地上or空中攻撃」の組み合わせである
- 両方の攻撃に#相殺判定がついている
- 自分の攻撃のダメージ%が、相手の攻撃より9%以上高くない
ただし例外として、#特殊な相殺判定を持つ攻撃は条件を満たさなくても相殺する。
接触した攻撃のダメージ差が9%未満であればお互いに相殺が発生する。9%以上の場合はダメージの小さいほうのみ相殺し、ダメージの大きいほうは相殺しない(一方的に攻撃できる)。
直接攻撃の必殺ワザの場合、必殺ワザを出しているキャラが地上にいる時には地上攻撃、空中にいる時は空中攻撃と同じ扱いになる。
相殺の本来の意味は「互いに損得なしにすること」であるが、スマブラでは「ダメージを与えていないのに攻撃が相手にヒットした扱いになること」を相殺と呼んでいる。どちらか一方にだけ相殺が起こる、という表現は本来の意味だとおかしいが、ここでは問題ない。
特殊な相殺判定
ごく一部のワザは、相殺判定を持つ攻撃に触れたとき、自分・相手の攻撃がともに相殺するという特殊な相殺判定を持っている。
- 「自分:地上攻撃、相手:空中攻撃」のような、本来相殺が起こらない組み合わせでも相殺が起こる。
- 相手の攻撃をダメージで9%以上上回っていても相殺する。
- ただし、相手の相殺判定なしのワザは相殺できない。
特殊な相殺判定を持つワザは、攻撃判定を持つものとファイター本体が別の食らい判定を持っているものが多い。このような場合、そのワザはワザ同士のぶつかり合いに弱くなる。例えばネスの上スマッシュが相手の空中攻撃とぶつかった場合、相手の攻撃はヨーヨーに関して相殺するが、ネス本体への攻撃判定は残ったままである。ヨーヨーは相殺して相手への攻撃判定を失うため、ネスが一方的に相手の空中攻撃を食らってしまう。
同様に、チコ、ピクミンの特殊相殺判定は、相手の攻撃をチコ、ピクミンに関して相殺させる。チコ、ピクミンに対する相手の攻撃判定が消えるため彼らがダメージを負うことはないが、ロゼッタ、オリマーに対する攻撃判定は残ったままとなる。
特殊な相殺判定を持ち、かつファイター本体が攻撃判定を出しているワザの代表がXのメタナイトのマッハトルネイドである。このワザが相殺判定有りの攻撃判定と重なった場合、相手の攻撃は相殺されてメタナイト本体に攻撃が当たらず、マッハトルネイドの次の段が発生して相手が一方的に巻き込まれるといったことが起こる。先述の例とは真逆で、攻撃のぶつかり合いに異常に強いワザであった。対策の一つが、相殺判定無しのワザを本体に当てることである。
特殊な相殺判定のワザ一覧
- ロゼッタ&チコ
- チコの全ての通常攻撃
- フォックス、ファルコ
- 横必殺技
- ネス
- 上スマッシュ攻撃・下スマッシュ攻撃
- ピクミン&オリマー
- ピクミンを使った全ての通常攻撃
- むらびと
- 下必殺ワザの木
- カムイ
- 横スマッシュ攻撃(溜め部分除く)、通常必殺技(噛み付き)、横必殺技(槍部分)
- ベヨネッタ
- 各種スマッシュ攻撃
例
- ゼロスーツサムスの弱攻撃(1%) 対 むらびとの伐採された木(25%)
→相殺発生 ゼロスーツサムスにダメージ無し ゼロスーツサムスは#相殺モーションに - ゼロスーツサムスの前空中攻撃(5%) 対 むらびとの伐採された木(25%)
→相殺発生 ゼロスーツサムスにダメージ無し 空中攻撃なので相殺モーションには移行せず - ガノンドロフの振り向き魔人拳(37%) 対 むらびとの伐採された木(25%)
→木にだけ相殺発生 ガノンドロフにダメージ無し ガノンドロフは相殺モーションに移行せず
相殺判定
全ての攻撃判定には相殺パラメータのOn/Offが設定されている。Offになっているワザは、お互いのワザに相殺を発生させない。相殺パラメータがOnであることを「相殺判定が有る」、Offであることを「相殺判定が無い」というのが一般的である。
相殺判定があっても、#相殺の条件をすべて満たさなければ相殺は発生しない。例えばある空中攻撃が相殺判定を持っていたとしても、それが飛び道具以外のワザとぶつかった場合は相殺しない。
相殺判定が無い地上攻撃は、ワザが重なった時に空中攻撃のようなふるまいをするというイメージである。一方、空中攻撃はそもそも相殺が起きないため(#特殊な相殺判定を持つワザとぶつかった時を除く)、相殺判定の有無でワザの性質はあまり変わらない。
また、相殺判定が無いワザは相手の飛び道具を消せないというデメリットを持つ。
相殺判定の有る無しは見た目では判断できず、ゲームプレイでは攻撃同士を接触させて相殺が発生したかどうかで確認するしかない。地上・空中共に大多数のワザには相殺判定が有り、相殺判定が無いワザには、魔法、光線、衝撃波の類が多い。
一つのワザでも、部位によって相殺判定が有る箇所、無い箇所とで分かれているもの(たとえば、マリオの横スマッシュ攻撃は、手の部分には相殺判定が有り、炎の部分には無い)や、段によって相殺判定の有無が異なる連続ヒットワザなど(たとえば、ネスの前空中攻撃は最終段には相殺判定があるが、それ以外の段には無い)もある。
相殺モーション
#相殺判定を持つワザは、さらに相殺モーションを持つものと持たないものに分けられる。相殺モーションを持つワザは、相殺発生後、のけぞるような相殺モーションに移行する。地上攻撃の大半は相殺モーションを持つワザである。一方、空中攻撃や飛び道具には相殺モーションが無い。[1]
地上攻撃の相殺モーションは反動でのけぞる動作をとり、その後に待機状態に戻る。相殺モーションの長さはワザのダメージが大きいほど長くなる(動作がゆっくりになる)。ダメージが双方で異なる場合、相殺モーションの長さ、および相殺発生時のヒットストップの長さはダメージが大きいほうの攻撃で決まる。
相殺モーションの無いワザは、相殺時のヒットストップが発生しない。相殺モーションが有るワザと無いワザがお互いに相殺した場合、相殺モーションが無い側にだけヒットストップが発生し、無い側は元のワザの動きが止まらずに進行する。
なおここでは相殺時の動作を相殺モーションとしているが、これは公式名称ではない。公式名称は不明で、相殺モーションのほかには、相殺動作、相殺硬直、相殺反動などと呼ばれることがある。
相殺の発生
相殺が発生するとまずヒットストップが発生し(#相殺モーションの無いワザを除く)、攻撃が接触した部分に小さな透明の円のエフェクトが表示される。このエフェクトは当たり判定有り無敵状態の相手に攻撃したときに出るものと同じ。
そして、ダメージを与えていないのにもかかわらず攻撃が相手にヒットした扱いになる。ワザが相手の攻撃判定・食らい判定に同時に触れたとしても、相殺が起きれば相手にダメージは与えられない。攻撃判定が2か所以上設定されているワザは、そのうちどこか1か所が相殺すると残りも相手への当たり判定を失う。ただしカムイの横スマッシュは例外で、「同じフレームに根元が相殺し、先端がヒットする」という現象が起こる。
その後、ワザが相殺モーションを持っていればそれに移行し、持っていなければモーションが続行される。
- 相殺モーションの有る攻撃
- ヒットストップの後、相殺モーションに移行する。
- このページの上部にあるマリオとリンクの攻撃の画像がこのパターンの相殺である。
- #相殺モーションにも解説有り。
- 相殺モーションの無い攻撃
- 相殺を起こしてもモーションが続行される。ヒットストップもかからない。
- 相殺した攻撃判定は、相殺を起こした相手に接触させてもヒットしない。相殺に関係ない相手にはヒットする。
- 武器の大半は持ち主と同じ物の扱いなので、攻撃判定が武器攻撃と相殺した場合は相手本体にはヒットしない。一方、飛び道具や#特殊な相殺判定の武器は別物扱いで、相殺後に相手本体にもヒットさせられる。
- 攻撃判定が切り替わる、すなわち攻撃がカス当たりに移行すると、相手に再びヒットさせることができる。これは「相殺でヒットした扱いになる」のが相殺したフレームに出ていた攻撃判定のみであるため。
- 相殺モーションの無い多段攻撃は、相殺した次の段からは通常通りヒットする。
補足
- 相殺ではワンパターン相殺は蓄積しない。
- 相殺では得点権は移らない。
- ペナルティが発生するワザは、相殺でモーションが中断されてもペナルティが発生し保持している状態になる。
- 衝突した攻撃の力の差が9%以上でも、攻撃が衝突した瞬間の1Fだけはダメージの大きいほうの攻撃も当たらない。たとえば、攻撃判定が1Fしか発生しない攻撃がそれより9%以上ダメージの小さい攻撃と衝突した場合、相手にダメージは与えられない。「ダメージは与えていないがヒットした扱い」の相殺とは異なり、ヒットしていないのと同じ結果になるので、2F目からはヒットするようになる。
関連項目
脚注
- ↑ データ上は空中攻撃や飛び道具にも相殺モーション有りと記述されていることが多いが、ゲーム内でモーションを取ることは無い。