ワンパターン相殺

ワンパターン相殺は、ヒットさせたワザの攻撃力が、次に別のワザを何度か当てるまで低下するシステム。ユーザー間では「OP相殺」の略称が広く使われている。
現行作では同じ攻撃をヒットさせればさせるほど、OP相殺が累積していく。ダメージだけでなくふっとばし力も影響を受けるが、『3DS/Wii U』以降はダメージのものほどは低下しにくくなっている。

1度の攻撃でかかるOP相殺は1回分のみで、たとえば多段攻撃が複数回ヒットしたり、1度に複数のファイターにヒットしたりしても、かかるワンパターンは1回分のみとなる。複数の段があるコンビネーション攻撃は、弱攻撃などの通常ワザのものなら各段で別々の攻撃としてカウントされる。ただし、百裂攻撃と百裂フィニッシュは同じ攻撃としてカウントされる。必殺ワザのコンビネーション攻撃はワザによって異なる。

OP相殺によって減少した攻撃のダメージは、別の攻撃をヒットさせる度に徐々に元に戻る。そのかわり、新たにヒットさせた攻撃にOP相殺がかかっていく。撃墜されて復活すると、すべてのワザのOP相殺がクリアされる。

基本的には不利益をもたらすOP相殺だが、ふっとばし力の低下を利用し、コンボを繋げやすくすることもできる。上強攻撃の連発や投げ連のような、同じワザを繰り返すコンボは、OP相殺の影響で繋がりやすさが増していることが多い。

64

『64』では『DX』以降と違いやや仕様が単純で補正の重複がなく、2連続目の攻撃ヒットからいきなり最大までダメージが低下する(0.75倍)。他の攻撃を当てる度に0.7倍ずつ回復していき、4回他の攻撃をヒットさせると元のダメージまで全快する。
なお、『64』はダメージの小数点以下が切り上げられる仕様上、3%以下の攻撃はOP相殺がかかっても小数点切り上げにより効果がない。
また、4~5%のワザの場合は1回、6~9%のワザの場合は2回、10~24%のワザの場合は3回他の攻撃を当てれば元のダメージと同じになる。

反射した飛び道具がヒットすると、OP相殺は反射に使ったワザや飛び道具にかかるのではなく、反射した飛び道具と同じコマンドのワザにかかる。たとえば、フォックスが「リフレクター」でサムスの「チャージショット」を反射してヒットした場合、「チャージショット」のコマンドは通常必殺ワザなので、フォックスの通常必殺ワザの「ブラスター」にOP相殺がかかる。

倍率
最大 1回復 2回復 3回復 4回復(全快)
0.75x 0.82x 0.89x 0.96x 1.0x

DX以降

ヒットさせた攻撃が直近9回まで記録され、それに応じて威力減少が累積するようになった。記録が若い攻撃ほど大きく影響を受けるが、複数回記録されると履歴の位置に対応するものが重複して反映される。

『X』以降は、直近9回で1度も使っていない攻撃は、ダメージが1.05倍になるボーナスがかかる。

履歴 未使用 1回前 2回前 3回前 4回前 5回前 6回前 7回前 8回前 9回前
DX 0.09 0.08 0.07 0.06 0.05 0.04 0.03 0.02 0.01
X (+0.05) 0.1 0.09 0.08 0.07 0.06 0.05 0.04 0.03 0.02
3U (+0.05) 0.08 0.07594 0.06782 0.06028 0.05274 0.04462 0.03766 0.02954 0.022
SP(ヒット) (+0.05) 0.09 0.08545 0.07635 0.0679 0.05945 0.05035 0.04255 0.03345 0.025
SP(ガード) 0.0765 0.0726325 0.0648975 0.057715 0.0505325 0.0427975 0.0361675 0.0284325 0.02125
  1. OP相殺の倍率の初期値/最大値は1.0。
  2. 履歴に攻撃が記録されていれば、上記の表に対応した分だけ倍率を減らす。
  3. 履歴を1回前から9回前まで順番に見て処理する。
  4. 『X』以降は、履歴に無い攻撃は1.05倍になる。

『DX』を例にとると、履歴に無ければOP相殺の倍率は1.0。"1回前"に記録されていれば、「1.0-0.09=0.91」。"1回前"と"2回目"に記録されていれば、「1.0-0.09-0.08=0.83」。"1回目"と"2回目"と"9回目"に記録されていれば、「1.0-0.09-0.08-0.01=0.82」。本来のダメージが20%の攻撃が履歴の"1回目"と"2回目""と"9回目"に記録されている場合のダメージは、「20*(1.0-0.09-0.08-0.01)=16.4%」。

同じ攻撃を連続して使用した場合のOP相殺の倍率の推移は、以下の通り。

  • DX 1.00 → 0.91 → 0.83 → 0.76 → 0.7 → 0.65 → 0.61 → 0.58 → 0.56 → 0.55
  • X 1.05 → 0.90 → 0.81 → 0.73 → 0.66 → 0.6 → 0.55 → 0.51 → 0.48 → 0.46
  • 3U 1.05 → 0.92 → 0.84406 → 0.77624 → 0.71596 → 0.66322 → 0.6186 → 0.58094 → 0.5514 → 0.5294
  • SP 1.05 → 0.91 → 0.82455 → 0.7482 → 0.6803 → 0.62085 → 0.5705 → 0.52795 → 0.4945 → 0.4695

DX

ふっとばし力の計算に使われる値の中には攻撃ワザのダメージ自体が含まれるが、本作(と『64』)では、非飛び道具の攻撃に限り、この部分のみOP相殺が記録される直前の(相殺が入っていない)状態が反映される。攻撃ダメージ加算後の蓄積ダメージが計算に使われる部分は相殺が反映されるためその分のふっとばし力は低下するものの、飛び道具に比べればふっとばし力の減少は少ない。 つまり、20%ダメージの非飛び道具を蓄積が100%の相手にヒットさせたときと、OP相殺がかかって10%ダメージが低下したその攻撃で蓄積が110%の相手にヒットさせたときのふっとび倍率が同じになるということである。これが飛び道具だと、大きく違う結果になる。

多段攻撃がヒットした場合、最初のヒットでOP相殺が記録され、2ヒット目からは記録後のダメージで計算されるという現象が起きる。つまり、2ヒット目は1ヒット目よりもOP相殺が1回多くかかっている状態になる。

X

本作から、OP相殺が一切かかっていない攻撃にはダメージが1.05倍になるボーナスが適用されるようになった。

『DX』以前とは異なり、ふっとびの計算に使われる攻撃ダメージは、非飛び道具であっても、OP相殺を適用したものになる。相殺の減少率がDXよりも一回り上がっているため、1回OP相殺がかかっただけで撃墜に必要な蓄積ダメージが10%以上増すワザも多々あり、撃墜に使うワザの使用タイミングの見極めが重要となっている。

マリオの上強攻撃など、絶え間なく連続で出し続けると、その間は一連の動作とみなされ、幾ら当てても最初の1回分しかOP相殺がかからないワザがある。横強攻撃、上強攻撃、空中攻撃、掴み攻撃に多い。掴み攻撃は2%以下のダメージのものに多い。この仕様を持つワザに毎回OP相殺をかけたければ、しゃがみを挟んだり、一旦間を置いたりするといい。

シリーズで唯一アイテム投げにOP相殺がかかる。アイテム投げのOP相殺は3種類で、「地上その場投げ」「通常投げ」「スマッシュ投げ」を全アイテムで共有している。地上・空中の区別は無い。

空中その場落しにはOP相殺がかからない。ただし、OP相殺が発生するワザでアイテム取得をすると、そのワザにかかっていたOP相殺が、そのアイテムの空中その場落としに適用されるようになる。ヒット履歴には記録されない。これはアイテムを一旦捨てて普通に拾い直しても適用されたままになる。他のプレイヤーが拾っても変わらない。他のワザのOP相殺で上書きすることは可能。

3DS/Wii U

『X』ではふっとばし力の計算にはOP相殺が適用されたダメージをそのまま使っていたが、本作からはふっとび計算に用いる攻撃力の部分のみ、OP相殺による影響が0.3倍まで低減されている。つまり、OP相殺によるふっとばし力の低下が大幅に軽減された

アイテム投げにはOP相殺が適用されなくなったが、ヒット履歴には記録され、他の攻撃のOP相殺を回復させることが出来るという仕組みになっている。

攻撃を絶え間なく連発すると一連のワザとみなされる仕様はほとんど廃止されたが、一部のファイターの掴み攻撃だけは依然として同じ仕様をもっている。そのような掴み攻撃で毎回OP相殺をかけるには、少し間をおきつつ攻撃を入れる必要がある。以下は、連発すると1回分のOP相殺しかかからない掴み攻撃をもつファイター[1]

           
           
            

SP

シールドに攻撃がヒットしたときにもヒット履歴に記録されるようになり、よりOP相殺の履歴が流れやすくなった。シールドされたときに生じるOP相殺は、普通にヒットした場合のさらに0.85倍となっている。
前作よりも少しOP相殺によるダメージ減少量が大きくなり、『DX』とほぼ同等の影響度になったが、履歴が下ってもダメージ減少が最も減りづらくなっている。

ふっとばし力に関する影響は『3DS/Wii U』と同様、0.3倍まで低減される。

アイテム投げは『DX』以前のように完全にOP相殺とヒット履歴に影響しなくなった。

OP相殺がかかるケースとかからないケース

  • ファイターへの攻撃 → 一部の攻撃を除き、基本的にかかる。詳細は#OP相殺がかからない攻撃にて。
  • 攻撃の空振り → かからない。他のワザのOP相殺を回復することもできない。
  • シールドへの攻撃 → 『3DS/Wii U』以前はかからない。『SP』より、ヒットしたときほどではないがかかるように。
  • 飛び道具への攻撃 → かからない。ただし、リンクの「爆弾」のような、やられ判定がある飛び道具の場合はかかることがある。詳細は#ファイターの生成物への攻撃にて。
  • 相殺 → かからない。
  • 無敵状態の相手への攻撃 → かからない。ただし、カービィの「ストーン」とゼニガメの「からにこもる」へ攻撃した場合にはかかる。
  • 攻撃が反射カウンターをされた → かからず、OP相殺も回復しない。
    • ただし攻撃力を参照するカウンターの反撃ダメージ、反射された飛び道具の与ダメージ、ガオガエンの「リベンジ」で軽減された被ダメージについては、取られたワザの方にすでにかかっていたOP相殺が影響する。
  • 攻撃可能なステージオブジェクトへの攻撃 → 『X』以前はかからない。『3DS/Wii U』以降はかかる。
  • アシストフィギュアどせいさんなどのやられ判定のあるアイテムへの攻撃 → 『DX』以前はかからない。『X』以降はかかる。

OP相殺がかからない攻撃

攻撃がヒットしても、ヒット履歴に必ず記録されない他、常にダメージが固定されている攻撃。『X』以降の1.05倍ボーナスや、ほかほか補正もかからない。

『3DS/Wii U』では、アイテム投げとWii Fit トレーナーの「ヘディング」のサッカーボールによる攻撃は攻撃のヒット履歴には記録され、他の攻撃のOP相殺を回復させることができる。サッカーボールだけは『SP』でも同様にヒット履歴に記録され、相殺を回復可能。

やられ判定のあるファイターの生成物への攻撃

アイテムやられ判定のあるファイターの生成物への攻撃は、『DX』以前はOP相殺がかからない。『X』以降は物によって異なる。以下は『X』以降のリスト。○はOP相殺がかかる。×はOP相殺がかからない。-はその作品には存在しない或いは攻撃不可。

ファイター X 3U SP
リンク 爆弾
× ×
シーク 仕込針 × - -
炸裂丸 -
ゼルダ ファントム - × ×
アイスクライマー 「アイスショット」の氷 - ×
ピットブラックピット 鏡の盾 × - -
衛星ガーディアンズ - × ×
ワリオ ワリオバイク
スネーク 手榴弾 -
ニキータ - ×
サイファー × - ×
ディディーコング ピーナッツ × × ×
デデデ ワドルディ・ワドルドゥ - -
ゴルドー - × ×
ロボット ジャイロ
ピクミン&オリマー ピクミン × ×
むらびと ハニワくんロケット - × ×
風船 - × ×
- × ×
ロゼッタ&チコ チコ -
ゲッコウガ みがわり人形・丸太 -
パックマン フルーツターゲット -
パワーエサ -
トランポリン - - ×
消火栓 - × ×
クッパJr. メカクッパ -
ダックハント - × ×
クレー - × ×
ガンマン - × ×
しずえ しかけハニワくん - - ×
風船 - - ×
パックンフラワー シューリンガン - - ×
バンジョー&カズーイ おケツタマゴ - -
スティーブ TNT火薬 - -

アイテムによる攻撃

アイテム投げのOP相殺は『X』でのみ行われ、『64』『DX』『SP』ではかからない。『3DS/Wii U』はやや特殊になっている。詳細は#X#3DS/Wii Uにて。

ビームソードなどの打撃アイテムを使ったOP相殺は、かかるものとかからないものがある。たとえば、ビームソードなどの通常横攻撃を置き換えるタイプは全作かかるのに対し、ハンマーなどの特殊な打撃アイテムは『X』ではかかるが、『SP』ではかからない。かかるものは、そのアイテムを使った各種攻撃(弱攻撃や強攻撃)ごとにOP相殺が管理されている。たとえば、ビームソードとホームランバットの弱攻撃は、別々の攻撃として管理される。しかし、使っていたビームソードを捨てて新たなビームソードを拾っても、以前のOP相殺が引き継がれる。

射撃アイテムのOP相殺は、『X』以前はかかり(クラッカーランチャー等かからないアイテムも有り)、『3DS/Wii U』以降はかからない。

備考

  • 英語では「Stale-move negation」または「Repetition Effect」。
  • トレーニングモードでは、OP相殺が無効化されている。『SP』ではOP相殺適用の有無を設定可能。
  • ホームランコンテスト」を除く一人用モードでもOP相殺が無効化される。ただし、『X』の「亜空の使者」での対ファイター戦では有効になる。
  • アイスクライマーのOP相殺は2人で共有しており、以下のようにカウント・管理されるようになっている。
    • DX 別々の攻撃としてカウントされる。同時ヒットすると2回カウントされる他、オプションの攻撃は本体の攻撃が当たった時点でOP相殺がかかった状態になる。なお、オプションが撃墜されると本体のOP相殺がリセットされる。
    • X 本体の攻撃のみがカウントされる。なお、以下のワザは本体の攻撃中にオプションが同じワザを出すと、オプションのダメージが1.05倍になる現象が確認されている。
      • 横強攻撃、上強攻撃、各種空中攻撃、各種投げ
    • SP 『DX』と同様に別々の攻撃としてカウントされ、同時ヒットすると2回カウントされる。ただし、カウントの処理はヒットストップ後に行われるようになったため、パートナーのダメージ減衰タイミングが本体と同じになった。
  • 以下のチェンジができるファイターは、『DX』と『SP』ではOP相殺を共有するようになっている。『X』ではチェンジするとOP相殺がリセットされる。

脚注

外部リンク