『DX』のドンキーコングの上スマッシュ攻撃。赤い球ひとつひとつに攻撃判定のパラメータが設定されている。

判定とは、条件振り分けのために内部的に保有する値。またはそれを判定する処理のこと。『物』が存在することを示す「当たり判定」、攻撃の当たり外れを決める為の「攻撃判定」と「やられ判定」などがある。『スマブラ』では主に「攻撃判定」「やられ判定」の総称として使われる。

画像は『DX』で通常のプレイでは使用できない判定を表示するモードをチートを使ってONにし、ドンキーコングの上スマッシュ攻撃を撮影したものである。黄色がやられ判定、赤が攻撃判定、青が無敵部分である。このワザの判定の付き方は他の作品でも殆ど同じである。

判定の形状は『64』では直方体、『DX』以降は球体または円柱で構成される。

当たり判定

物に触れることができる判定。地形、キャラクターなど多くのオブジェクトが持つ。

攻撃判定

#やられ判定に接触すると攻撃が当たったことになり、相手にダメージを与える領域。

攻撃判定はそれぞれでダメージ・ふっとばし・属性などのパラメータを持つ。
ワザの多くは、同じ攻撃判定でも時間によって異なる威力が設定されたり、複数の攻撃判定で異なる威力が設定されていることが多い。

攻撃判定が持つパラメーターの仕様については以下のサイトが参考になる。

64
X
3DS/Wii U
SP

相殺判定

攻撃判定に設定されているパラメータの一種。相殺可能だと設定された攻撃判定同士が接触すると、その判定を一時的に打ち消す。 ワザによってさらに相殺モーションで反応を起こすか否かで分けられる。

やられ判定

攻撃判定に接触すると攻撃が当たったことになって、自分がダメージを受ける領域。喰らい判定(食らい判定)とも呼ばれる。

一部のワザでは、攻撃の瞬間にカラダの一部のやられ判定が無かったことになる場合がある。やられ判定が消えた部位ならそこに攻撃が触れてもダメージを受けることは無い。

ちなみに、攻撃判定とやられ判定がギリギリまで接近すると「チップ」(Glancing blow)と呼ばれる現象が起こる。
『DX』ではノーリアクションながらワザの持つダメージの半分を与えることができたが、『X』からは専用のエフェクトが出る以外は空振りと同じ。

ぬるり判定

キャラクターやアイテム同士が重なったとき互いに押し合う現象「ぬるり」を引き起こす判定。

ガケつかまり判定

ガケと接触するとガケつかまりに移行する判定。一部のワザではこの判定が消えることがある。

判定の強弱

 
武器が生身に勝つとは限らない。

ユーザーの間で言われることのある「判定が強いワザ」とは、相殺が発生しない組み合わせの攻撃が衝突する時に、相手よりも先に自分の攻撃判定が相手のやられ判定に届きやすいワザのこと。

やられ判定の一部が消えるなどの部分無敵を持ったワザ、武器を使った攻撃など、攻撃判定の先端とやられ判定の先端の距離が長くなるワザは、それが短いワザに対して一方的に攻撃を通しやすいため、「判定が強い」とされやすい。

武器判定

攻撃判定の内、やられ判定の無い部分のことを、「武器判定」と通称することがある。武器を使った攻撃において、武器の部分にはたいていやられ判定がない傾向にあることがその由来とされる。

一方で肉体を使った攻撃でも、足や尻尾の先端、他にはマリオなどの上スマッシュ攻撃中の頭部など、攻撃の瞬間だけやられ判定の一部が無敵状態になるワザもある。それらにおいて、やられ判定がかぶっていない攻撃判定を武器判定と呼ぶことがある。

この用語は公式名称ではない。更に、下記のように『スマブラ』の判定システムを間違って解釈している人が多いために、使用の際にはそれなりに配慮すると良い。

判定の優先について

一部のアクションゲーム・格闘ゲームには攻撃判定に優先度の強弱のようなものが設定されていることがあり、その場合では優先度の高い攻撃が低い攻撃とぶつかった際に一方的に勝つ。そのようなゲームにおいて、武器を使った攻撃などが高い優先度を持つ傾向にあると、それらも「武器判定」と呼ばれる場合がある。

『スマブラ』においてこのケースは相殺に該当し、基本的には大まかな与ダメージ値がそのまま優先度になり、差が少ない場合は双方無効になる。
双方とも飛び道具ではなく、かつどちらかが空中攻撃や一部の相殺不可能なワザだった場合は、攻撃判定同士の干渉は基本的に受けず、先に相手のやられ判定に自分の攻撃判定が触れたほうの勝ち。相殺できない攻撃が同時に当たった場合、両者相打ちとなる。

リンクの剣技は武器判定だからマリオの蹴り技に必ず勝てる」というような勘違いをしている人がしばしば現れるが、実際には『攻撃部位が武器である』という事自体は判定の優先度には直結しない(あくまでやられ判定を持たない部位になる傾向にすぎない)。
例えばリンクが弱攻撃・マリオは上スマッシュ攻撃でそれぞれの攻撃判定だけがぶつかった場合、リンク側だけ攻撃が相殺され、剣が弾き返されるという結果になる。

武器判定を端的に表現するなら、空中攻撃で技を打ち合った時など、相殺が起こらない状況でのリーチの優位性にあると言えるだろう。

備考

 
Z軸避けの発生例。
  • 英語では攻撃判定は「Hitbox」、やられ判定は「Hurtbox」。
  • 『スマブラ』はゲームプレイとしては2Dアクションに分類されるが、判定もキャラクターと同じように立体で形成されている。そのため攻撃判定の奥行きが小さい(Z軸の幅が狭い)物などでは、一部のモーションを取っている(喰らい判定が奥側に行った状態の)キャラクターに攻撃が当たらない「Z軸避け」という現象が起こり得る。
    • 『スマブラ』シリーズを通してZ軸避けを発生させやすいシチュエーションの例として、ヨッシー下アピールの特定のタイミング中ではフォックスの「ブラスター」が当たらない、という物がある。
    • なお、"フラットゾーン"などの2Dステージでは、奥行きの広がりが著しく制限されているため、Z軸避けは発生しなくなる。


外部リンク