ふっとび
ふっとびは、ファイターが攻撃を受けて後方に仰け反ったり空中に飛んでいく現象のこと。『スマブラ』では基本的に攻撃を受けるファイターの蓄積ダメージが大きいほどふっとびが倍増していくという独自の仕様があり、これが『スマブラ』の一つの大きな特徴になっている。
ふっとばし力
ふっとばし力とは攻撃を当てた相手が移動させられる速度と距離を決める設定で、つまり文字通り相手をふっとばす力の強さを示す。
攻撃をしたワザと、攻撃を受けるファイターごとにで以下のパラメータが決まっており、それらと状況によって適用される補正値を用いて計算される。
- 攻撃する側
- 攻撃のダメージ - 与えるダメージが大きいほど、ふっとびの勢いが大きく増す。
- リアクション値 - その攻撃によるふっとびの勢いそのものを決めるパラメータ。ワザごとに、相手の蓄積ダメージが大きいときと小さいときのふっとばし力が決まっているが、蓄積ダメージが大きいほど吹っ飛びにくくなるワザはない。
- 攻撃される側
- 蓄積ダメージ - 蓄積ダメージが大きいほど、ふっとばされやすくなる。
- 体重 - ファイターの体重が重いほど、同じ蓄積ダメージでもふっとびにくくなる。ちなみに重力値や落下速度が高いほど、上へふっとぶ距離が短く、横へ吹っ飛ぶ速度が大きくなる傾向にある。詳しくは#重力補正にて。
ふっとばし力の詳細については以下のサイトが詳しい。
- Knockback - SmashWiki, the Super Smash Bros. wiki
- スマブラ拳!!(64):攻撃とふっとびの仕様
- ふっとび [Knockback スマブラDX 対戦攻略指南]
- ふっとばし力 - スマブラfor 3DS/WiiU 検証wiki
- ふっとばし力 - スマブラSPECIAL 検証wiki
ふっとびに影響を与える行動・状態
特定ファイターやステージなどに由来するものは割愛。
以下の他にもルール設定の「ふっとび率」で受けるふっとびに補正を掛けられる。また、「組み手」など特定のゲームモードでは、特殊なふっとび率・ふっとばし率が設定されていることがある。
- ワンパターン相殺 - 同じワザを当ててばかりだとダメージが減少し、ふっとばし力にも影響してくる。他のワザを当てると次第に元に戻っていく。
- ほかほか補正(3U以降) - 自分の蓄積ダメージが大きいほど、ふっとばし力が少し増す。
- ベクトル変更(DX以降)・ふっとび速度変更(3U以降) - 方向入力により、ふっとぶ角度を少しだけ曲げて抵抗することができる。ただし、『3DS/Wii U』以降はふっとぶ速度も同時に影響を受ける。
- ふっとび緩和(X以降) - ふっとびの勢いが止まる少し前から行動可能になる仕様を利用し、残っているふっとびの勢いを必殺ワザの推進力などで緩和することができる。
- スーパーアーマー - 特定のワザの動作中や、埋まり状態になっている場合などは攻撃を受けてものけぞらず、ふっとばない。メタル状態やヨッシーの空中ジャンプ中など、閾値を超えても受けるふっとびを軽減する物もある。
- しゃがみ耐性 - 『X』以外では、しゃがみ中は受けるふっとびなどを減少させる効果がある。
- 地上メテオ - 地上の相手にメテオワザを当てて上方にバウンドさせる場合、そのふっとばし力は0.8倍に低下する。
- スマッシュホールド中にカウンター(3Uまで) - スマッシュホールド中に攻撃を受けると、普段より1.2倍大きくふっとぶ。
- 氷結状態 - この状態のファイターはスーパーアーマーではないが、その間のふっとびが大幅に減少する。『3DS/Wii U』と『SP』では0.25倍に低下することが確認されている。
ふっとび硬直
ふっとばされたファイターはしばらく硬直して操作が効かなくなる。基本的に、ふっとびの勢いが強いほど操作不可能時間が長くなるが、これはシリーズを重ねるごとに減少している。
ただし『X』だけは硬直時間に関わらず、すぐに空中回避と空中攻撃だけは行えるようになっているため、事実上シリーズで最もふっとび硬直が短くなっている。
ふっとび硬直時間の詳細については以下のサイトが詳しい。
- Hitstun - SmashWiki, the Super Smash Bros. wiki
- ふっとび [Knockback スマブラDX 対戦攻略指南]
- ふっとび硬直 - スマブラfor 3DS/WiiU 検証wiki
- ふっとび硬直 - スマブラSPECIAL 検証wiki
ふっとび方の種類
ファイターのふっとび方には大きく分けて立ちふっとびと倒れふっとびの2種類がある。
立ちふっとび
立ちふっとびは主に弱くふっとんだときの状態で、ファイターはそのままであれば通常の待機または落下状態に戻るのが特徴。ふっとぶ勢い、角度でモーションが異なる。
『X』以降は立ちふっとびをした場合はふっとびずらしができない。そのため、このふっとび方に留めながら繋げていくコンボは確実性が高い。投げ連のような非常に長く繋がるコンボは、立ちふっとびを繰り返すものが大半である。
倒れふっとび
倒れふっとびは主に強くふっとんだときになるふっとび方で、ふっとび後はファイターが宙をクルクルと回転しながら落下していくダメージ落下状態になり、そのまま着地すればダウンするのが特徴。
ファイターによっては、倒れふっとびをした瞬間やふっとびの終わり際にうめき声を出すものがいる。ただし、『X』だけはふっとぶ瞬間のボイスが再生されず(サウンドテストにはそのボイスは収録されている)、『3DS/Wii U』からはふっとぶ瞬間のボイスはヒットストップ後に再生されるという仕様がある。
上述の仕様に加え、『X』以降は倒れふっとびに関して幾つかの特筆すべき仕様を持っている。
X
- 地上でベクトルが0度の攻撃を受けた場合は倒れふっとびにならない。
- ふっとびの勢いに#重力補正がかかる。
- ふっとびの勢いに関係無く、空中回避を14F目以降、空中攻撃を26F目以降にできるようになる。この仕様を利用して、強力なふっとび緩和ができる。
3DS/Wii U
- 地上でベクトルが0度の攻撃を受けた場合は倒れふっとびにならない。
- ふっとびの勢いに#重力補正がかかる。
- 倒れふっとびによるふっとび硬直は、ふっとびの勢いが無くなる少し前に解ける。空中回避→空中攻撃→空中ジャンプ/必殺ワザ/急降下の順に行えるようになる。
- 空中回避・空中攻撃ができるようになるまでの時間は、重力が大きいファイターほど長い。
- 倒れふっとびの硬直中にスティックを左右に倒していると、ふっとび硬直が解けたときにその方向へ大きく加速する(ふっとび緩和)。
- 倒れふっとびの勢いが無くなる前に空中回避を行うと、横方向の入力が少しの間効かなくなる。そのため、上述のふっとび緩和もできなくなる。詳細は空中回避#3DS/Wii Uにて。
- ダメージ落下中は急降下ができないが、倒れふっとびのふっとび硬直が解けてからふっとびの勢いが無くなるまでの少しの間になら急降下をすることができる。
- 特定角度にふっとぶ際、低確率できりもみふっとびになって地上受け身がとれない。詳細は#きりもみふっとびにて。
SP
- スロー状態・氷結状態でない限り、ふっ飛び硬直の長さに応じてファイターがスロー状態とは逆の時間加速状態になる。これにより、吹っ飛びの仕様や軌道はそのままに初速が早く急激にブレーキが掛かるという吹っ飛び方をするようになった。
- この仕様の詳細についてはふっとび加速演出 - スマブラSPECIAL 検証wikiを参照。
きりもみふっとび
倒れふっとび時の蓄積ダメージが100%以上で、ベクトル変更前のふっとび角度が70°以下の場合、30%の確率でファイターがきりもみ回転しながらふっとぶ。
『3DS/Wii U』のきりもみふっとびだけは、通常の倒れふっとびとは異なる点が幾つかある。
- ふっとび硬直中は 地上受け身が取ることができない
- ふっとび硬直後は 一切急降下できない (通常の倒れふっとび後には急降下を受け付ける時間が存在する)
- ふっとび硬直フレームが通常の倒れふっとびより 1F短い
特に重要なのが地上受け身不可で、フォックスの通常空中攻撃カス当てなど、高%の相手を低い角度で倒れふっとびさせることができる小技を持っているファイターは、そのようなワザで相手がダウンした隙にすかさずスマッシュ攻撃、というようなコンボが期待できる。
バウンド
倒れふっとび中に地形に衝突し、受け身をとれなかった場合、ファイターが地形で跳ねかえって反射した方向へ飛んでいく。ただし『X』以前は、ふっとびの勢いがあっても床に衝突した場合は一切跳ね返らない。
壁、天井では、ファイターが衝突してから跳ね返るまでの時間は、ふっとびの勢いが強いほど長くなる。バウンドしてもふっとびの勢いは減らないので、勢いよくふっとんでいる間にバウンドすれば、そのまま反対方向の画面外へ出てKO、ということもあり得る。受け身をすることで、バウンドを中断しふっとびの勢いを完全に無くすことができる。ただし『SP』では、ファイター衝突時のふっとびの勢いが一定以上だった場合、衝突エフェクトが赤くなって受け身が不可能となり、大抵の場合はそのままKOになる。
立ちふっとびであっても、ふっとび角度が0°かつ、一定以上のふっとび速度、または転倒中のふっとび、またはダウン中のふっとび(ただしダウン連になった場合を除く)であれば、バウンドする。
重力補正
ふっとび中も落下速度が働くので、落下が速いファイターほど上方向のふっとびにブレーキが掛かる。そのため『DX』では、体重3位で落下が遅いサムスよりも、体重22位で落下が速いフォックスの方が上方向にふっとびにくいということが起きている。
『X』以降では、ファイターの重力値が大きいほど倒れふっとびの勢いが増す重力補正が導入されている。重力補正の導入の意図は、上方向へのふっとびやすさを本来の重さの順に近づけるためだと思われる。重力補正をもってしても落下が速いファイターは体重以上に上方向に耐える結果になっているものの、『DX』以前と比べれば随分マイルドになっている。なお、重力補正の影響で、補正が大きいファイターは横方向には体重以上にふっとびやすくなっている。
『SP』でも重力補正は存在するが、本作では縦方向へのふっとび時に専用の重力値を適用させることで上ふっとびの勢いを減衰させすぎないようになっており、それによる影響の方が大きい。
重力補正の詳細については以下のサイトが詳しい。
ノーリアクション
ノーリアクションとは、相手ファイターが攻撃を受けてもヒットストップのみで一切怯まないことであり、ノーリアクション攻撃はヒット時に相手の行動を中断できないワザを指す。
『DX』以降のフォックスの通常必殺ワザ「ブラスター」は代表的なノーリアクション攻撃である。
一般的なノーリアクション攻撃にはリアクション値が設定されていないが、風攻撃はノーリアクションでありながらリアクション値が風で押し出す強さとして設定されている。
通常ではふっとばす攻撃でも、ふっとび耐性で耐えることができればノーリアクションになる。
ノーリアクション攻撃および風攻撃をヒットさせることで、タイム制における得点権を奪うことはできる。
備考
- 英語では、「Knockback」。
- 『SP』ではゲームスピードのテンポアップの一環として、ふっとばされたファイターが時間加速状態になる。
- この仕様は過去にも導入が検討されていたが、特に3DSでは自分の位置を見失う機会が多くなるので見送られていた[1]。
関連項目
脚注
- ↑ 桜井政博のゲームについて思うこと VOL.557