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| '''{{PAGENAME}}'''(King K. Rool)は、『ドンキーコング』シリーズに登場するキャラクター。 | | '''{{PAGENAME}}'''(King K. Rool)は、『ドンキーコング』シリーズに登場するキャラクター。 |
− | __TOC__
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| == 概要 == | | == 概要 == |
− | 『スーパードンキーコング』から登場する、コングファミリーの宿敵。クレムリン軍団を率いる大ボスのワニ。以降のシリーズ作品でも度々登場する。<br>
| + | 『スーパードンキーコング』で初登場したクレムリン軍団のヘッドである巨漢のワニ。名前の由来は「冷酷」を意味する「cruel」のもじり。英語では名前の表記から「キング・ケイ・ルール」と区切って呼ばれる。 |
− | 王冠と赤いマント、血走った左目が特徴。また、『ドンキーコング64』まではおなかが金属のような光沢のある質感であったが、『ぶらぶらドンキー』以降は普通の生物的な質感になるなど、デザインが変更されている。<br>
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− | [[ドンキーコング]]たちコングファミリーを目の敵にしており、『スーパードンキーコング』では彼らの自宅下にあるバナナ倉庫から山のようなバナナを盗んだあげくディディーをタルに閉じ込め、『ドンキーコング64』では新兵器「ブラストマティック」を用い、ドンキーコングアイランドごと破壊を目論んだ。
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− | ただ、この二者間の関係には疑問点があり、ある時はクランキーコングが「またあいつにバナナを隠させるか」などと発言したり、またある時は作品自体がクランキーが指揮を執る映画の撮影であることが示唆されたり(撮影スタジオの脇でドンキーとクルールは仲よく遊んでいた)、後述するキャプテンクルールはクランキーコングの妻、リンクリーコングの教え子であるなど、すべての黒幕がクランキーコング夫妻にあるような演出がいくつか見られる。
| + | 王冠と赤いマントを身に着けており、血走った左目に大きなお腹が特徴。『スーパードンキーコング2』では海賊衣装で装った'''キャプテン・クルール'''、『スーパードンキーコング3』ではマッドサイエンティスト風衣装の'''バロン・クルール'''の名で変装した姿で登場する。 |
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− | ドンキーをはるかに上回る巨体でありながら、猛スピードで突進したり画面から見切れるほどの大ジャンプを繰り広げたりなどアグレッシブ。王冠を投げたり鉄球を降らせたりなど飛び道具も扱える。狡知に長け、ニセのスタッフロールまで用意する凝りっぷりの死んだフリはあまりにも有名。DKクルーをあらかじめ幽閉しておくなどのような先回り戦法もよく使用する。
| + | バナナなどの財宝強奪や世界征服の邪魔をするコングファミリーを目の敵にしており、目的のため邪魔者を捕まえたり、間抜けな失敗をする部下に容赦がないなど冷酷な性格であることが際立つが、一方で死んだふりをしてプレイヤーまでを騙そうとするなど自身のやられ様はコミカルに描かれることも。 |
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− | 名前は「King K. Rool」とあるように、「キング・ク・ルール」「キング・ケイ・ルール」と区切って読むのが正しいが、日本国内ではもっぱら「クルール」と省略されている。名前の由来は「冷酷」を意味する「cruel」のもじりである。
| + | 直接対決では[[ドンキーコング]]を上回る巨体でありながらもアグレッシブに動き回り、王冠をブーメランのように投げたり大ジャンプの衝撃で鉄球を落とすといった離れ技も使いこなす他、武器・兵器などを用いた攻撃で襲い掛かる、といった戦法であることが多い。 |
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− | 『ぶらぶらドンキー』『ドンキーコング たるジェットレース』『スーパーマリオスタジアム ファミリーベースボール』ではプレイヤブルキャラクターとして登場。特に『スーパーマリオスタジアム』では、衣装が大きく変更されており、民族衣装のような腹巻やアクセサリーを身にまとっている。[[マリオシリーズ]]の悪役[[クッパ]]とは相性が悪い、と設定されている。また、同作は『スマブラ』を除く彼の最後の出演作となっている。
| + | 『スーパードンキーコング』シリーズなどを開発し、クルールなどのキャラクターデザインも担当したレア社が2002年にマイクロソフトに買収されて以降は、アクション系の作品はクレムリン軍団に代わる敵キャラクターが登場するようになり、クルールの出演はスピンオフ作品に留まっている。そのため『スマブラSP』での参戦は、『スーパーマリオスタジアム ファミリーベースボール』以来およそ10年ぶりとなる本格的な再登場作となった。 |
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− | === キャプテン・クルール、バロン・クルール ===
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− | 『スーパードンキーコング2』と『スーパードンキーコング3』にはそれぞれキャプテン・クルールとバロン・クルールというキャラクターがボスとして登場している。
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− | キャプテン・クルールは一人出かけたドンキーコングを誘拐してディディーコングに身代金としてバナナを要求し、取り返しにクレムリン島へやって来たディディーコング達を、なぜか部下総勢海賊のような出で立ちで迎え撃った。<br>
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− | 戦闘ではラッパ型の大砲から砲丸や煙幕を撃ち飛ばしてディディーたちをほんろうしたが、縄から解かれたドンキーコングのアッパーで飛行船の屋根をつき破り海に転落。サメに襲われかけた。
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− | バロン・クルールはいつのまにかクレミス島で隠れ家を築いており、何も知らずやってきたドンキーとディディーを監禁した。科学者のような格好であり、『スーパードンキーコング3』自体工業的な要素が他のシリーズ作より強い。バロンとは男爵のことだが本当に男爵というわけではなくフランケンシュタイン男爵のオマージュとされている(本国では「バロン・ケイ・ルーレンシュタイン」という名前になっている)。<br>
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− | なお、キャプテン・クルールについては『スマブラX』のキングクルールのフィギュア解説で「クルールの兄」と紹介されているが、クルールの制作者であるレア社も任天堂も『スマブラX』以前はキャプテン・バロンと共に同一人物としていることと、その後の言及もないため誤情報である見方が強い。『スマブラDX』ではクレムリン軍団を「クルール軍団」などと誤記されているあたり、開発チームに情報が行き届いていなかったのかもしれない。これについては、[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB#%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%82%84%E5%AE%B6%E6%97%8F%E3%81%AE%E8%A8%AD%E5%AE%9A キングクルール - Wikipedia]が詳しい。
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| == 大乱闘スマッシュブラザーズDX == | | == 大乱闘スマッシュブラザーズDX == |
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| [[ファイル:スマブラfor 追加コンテンツ {{PAGENAME}}セット.jpg|250px|サムネイル|『スマブラfor』の{{PAGENAME}}のコスチューム。]] | | [[ファイル:スマブラfor 追加コンテンツ {{PAGENAME}}セット.jpg|250px|サムネイル|『スマブラfor』の{{PAGENAME}}のコスチューム。]] |
| {{main|Miiファイターコスチューム}} | | {{main|Miiファイターコスチューム}} |
− | {{for|Mii 格闘タイプ}}用の{{PAGENAME}}の帽子と服が[[追加コンテンツの一覧 (3DS/Wii U)|追加コンテンツ]]として2015年7月31日から販売されている。次作の『スマブラSP』では本編内に収録されている。 | + | {{for|Mii 格闘タイプ}}用の{{PAGENAME}}の帽子と服が[[追加コンテンツの一覧 (3DS/Wii U)|追加コンテンツ]]として2015年7月31日から販売が開始された。次作の『スマブラSP』では本編内に収録されている。 |
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| デザインは、『スーパードンキーコング』シリーズがベースになっており、『ドンキーコング64』までに見られたお腹が金色の姿となっている。 | | デザインは、『スーパードンキーコング』シリーズがベースになっており、『ドンキーコング64』までに見られたお腹が金色の姿となっている。 |
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− | 「重量級だけど重量級っぽくないことをしている」のをコンセプト<ref>ニンテンドードリーム 2019年3月号 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL 大・特・集!! ディレクター 桜井政博さんインタビュー</ref>に、他のクルールも含めて使っていた様々な武器をワザにし、復帰力も高い。大きなお腹は一部のワザで[[スーパーアーマー]]を発揮し、攻撃に打ち勝ちやすいが、お腹に攻撃を受け続けるとヒビが入り、[[シールドブレイク|完全に壊れると大きな隙を晒してしまう]]、本物の金属のような特徴的な性質も持っている。 | + | 「重量級だけど重量級っぽくないことをしている」のをコンセプト<ref>ニンテンドードリーム 2019年3月号 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL 大・特・集!! ディレクター 桜井政博さんインタビュー</ref>に、他のクルールも含めて使っていた様々な道具が必殺ワザとなっており、パワフルで扱いやすい[[飛び道具]]や[[カウンターワザ]]、高い[[復帰力]]を備えている。大きなお腹は一部の通常ワザで[[スーパーアーマー]]を発揮しワザの打ち合いに強いが、お腹に攻撃を受け続けるとヒビが入り、[[シールドブレイク|完全に壊れると大きな隙を晒してしまう]]弱点にもなっている。 |
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| **『スーパードンキーコング2』のキャプテンクルールが使うラッパ銃。なお原作で発射してくるのはトゲつきの鉄球。他にも方向操作を狂わせる煙を発射したり、吸い込みを行う。時間が経ちトゲが引っ込んだ鉄球を吸い込ませるとダメージを与えられ、吸った鉄球を吐き出してくる。この流れを再現したワザ。 | | **『スーパードンキーコング2』のキャプテンクルールが使うラッパ銃。なお原作で発射してくるのはトゲつきの鉄球。他にも方向操作を狂わせる煙を発射したり、吸い込みを行う。時間が経ちトゲが引っ込んだ鉄球を吸い込ませるとダメージを与えられ、吸った鉄球を吐き出してくる。この流れを再現したワザ。 |
| **発射された弾丸がブレながらへろへろと飛んでいく動きは、[[桜井政博]]が初めてハル研究所でゲーム制作に参加した『突撃!ポンコツタンク』の自機や、[[カービィシリーズ|『カービィ』シリーズ]]の[[シャッツォ]]などの敵キャラが発射する「[https://kirby.fandom.com/ja/wiki/%E3%81%B8%E3%82%8D%E3%81%B8%E3%82%8D%E5%BC%BE へろへろ弾]」と共通している。 | | **発射された弾丸がブレながらへろへろと飛んでいく動きは、[[桜井政博]]が初めてハル研究所でゲーム制作に参加した『突撃!ポンコツタンク』の自機や、[[カービィシリーズ|『カービィ』シリーズ]]の[[シャッツォ]]などの敵キャラが発射する「[https://kirby.fandom.com/ja/wiki/%E3%81%B8%E3%82%8D%E3%81%B8%E3%82%8D%E5%BC%BE へろへろ弾]」と共通している。 |
− | ***ちなみに[[クッパJr.]]の通常必殺ワザ「クラウンキャノン」も、これと同じ挙動になっている。 | + | ***{{有無|SP}}[[クッパJr.]]の通常必殺ワザ「クラウンキャノン」も、これと同じ挙動になっている。 |
| *横必殺ワザ:クラウンスロー | | *横必殺ワザ:クラウンスロー |
| **『スーパードンキーコング』で行う、キングクルールの代名詞的なワザ。投げた王冠はブーメランのように戻ってくる。戻ってくるまでの間クルールの頭は無防備になり、踏みつけてダメージを与えられるようになる。 | | **『スーパードンキーコング』で行う、キングクルールの代名詞的なワザ。投げた王冠はブーメランのように戻ってくる。戻ってくるまでの間クルールの頭は無防備になり、踏みつけてダメージを与えられるようになる。 |
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| == 主な登場作品 == | | == 主な登場作品 == |
− | *[http://www.nintendo.co.jp/n02/shvc/8x/ スーパードンキーコング] (1994/SFC) 【バーチャルコンソール [https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000006606 Wii U] / [https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000039696 New3DS]】 | + | *[http://www.nintendo.co.jp/n02/shvc/8x/ スーパードンキーコング] (1994/SFC<ref name="VC6+NSO1" />)(2003/GBA) |
− | *[https://www.nintendo.co.jp/n02/dmg/ytj/index.html スーパードンキーコングGB] (1995/GB) 【[https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000020133 3DS バーチャルコンソール]】 | + | **[https://www.nintendo.co.jp/n02/dmg/ytj/index.html スーパードンキーコングGB] (1995/GB<ref name="VC5" />) |
− | *[http://www.nintendo.co.jp/n01/n64/software/nus_p_ndoj/ ドンキーコング64] (1999/N64) 【[https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000013228 Wii U バーチャルコンソール]】 | + | **[https://www.nintendo.co.jp/n02/dmg/bddj/ ドンキーコング2001] (2001/GBC) |
| + | *[http://www.nintendo.co.jp/n08/b2dj/ スーパードンキーコング2 ディディー&ディクシー] (1995/SFC<ref name="VC6+NSO1" />)(2004/GBA) |
| + | **[https://www.nintendo.co.jp/n02/dmg/addj/ ドンキーコングランド] (1996/GB<ref name="VC5" />) |
| + | *[https://www.nintendo.co.jp/n02/shvc/p_a3cj/index.html スーパードンキーコング3 謎のクレミス島] (1996/SFC<ref name="VC6+NSO1" />)(2005/GBA) |
| + | **[https://www.nintendo.co.jp/n02/dmg/ad3j/ ドンキーコングGB ディンキーコング&ディクシーコング] (2000/GBC<ref name="VC5" />) |
| + | *[http://www.nintendo.co.jp/n01/n64/software/nus_p_ndoj/ ドンキーコング64] (1999/N64<ref name="VC4" />) |
| *[https://www.nintendo.co.jp/ngc/gkgj/index.html ドンキーコンガ] (2003/GC) | | *[https://www.nintendo.co.jp/ngc/gkgj/index.html ドンキーコンガ] (2003/GC) |
| + | *[https://www.nintendo.co.jp/n08/bbkj/index.html ぶらぶらドンキー] (2005/GBA<ref name="VC4" />) |
| *[http://www.nintendo.co.jp/wii/rdkj/index.html ドンキーコング たるジェットレース] (2007/Wii) | | *[http://www.nintendo.co.jp/wii/rdkj/index.html ドンキーコング たるジェットレース] (2007/Wii) |
− | *[http://www.nintendo.co.jp/ds/abuj/index.html ドンキーコング ジャングルクライマー] (2007/DS) | + | *[http://www.nintendo.co.jp/ds/abuj/index.html ドンキーコング ジャングルクライマー] (2007/DS) |
− | など
| + | *[https://www.nintendo.co.jp/wii/rmbj/index.html スーパーマリオスタジアム ファミリーベースボール] (2008/Wii) |
| + | |
| + | == 備考 == |
| + | *『スマブラX』のフィギュア説明文ではキャプテン・クルールはキングクルールの兄として紹介されている。しかし、原作内でそのような設定が言及されたことが無いことから、誤植と思われる<ref>ゲーム外で別人である言及が複数ある(これについては[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB#%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%82%84%E5%AE%B6%E6%97%8F%E3%81%AE%E8%A8%AD%E5%AE%9A ウィキペディアの記事]が詳しい)他、GBA版『スーパードンキーコング2』で追加されたオープニングデモで同一人物であることが明確になっている。</ref>。 |
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| == 脚注 == | | == 脚注 == |
| <references> | | <references> |
| + | <ref name="VC4">Wii Uでバーチャルコンソールが配信された。</ref> |
| + | <ref name="VC5">3DSでバーチャルコンソールが配信された。</ref> |
| + | <ref name="VC6+NSO1">Wii/Wii U/New3DSでバーチャルコンソールが配信された他、Switchでは有料オンラインサービス『Nintendo Switch Online』加入者限定ソフトの収録タイトルとして配信された。</ref> |
| </references> | | </references> |
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